2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

昔書いていた詩(76) 「犬」 「再生」

犬 野良犬が 大欠伸をしている街の午後 小刻みに震える光の粒子は 舗道の敷石に飛び散って 捨て犬を覆い通行人の首筋まで 薄黄色に染め始めた 薄汚れたアーケードの下を モノラルな制服を装い 碁石顔の女達の塊が 嘴から紫紺の煙を吐き出してゆく ああ コン…

今書いている詩(76) 「たろうくんへの宅配便」

たろうくんへの宅配便 幸せは軒に吊るされた 干し柿のように 甘くなって並んでいるかな 希望は隣の家の干し大根のように 萎びてないかな 干し柿も 干し大根も 今が食べ頃ですよ でも美味しすぎて 幸せも 希望も あなたの胃袋の中で 消化できますかそれとも …

昔書いていた詩(75) 「細胞」 「木星」

細胞 時間を消しゴムで 簡単に 消してしまった若者は 彼の細胞の一つ一つから 時間と云う怪物を 葬り去ってしまった 白亜の太陽が 裏町の棺桶部屋に 一条の光線を 差し込こむ朝 眠りから覚めた 若者の視界に 無限の時間が 広がっていた 化石となった腕時計が…

今書いている詩(75) 「たろうくんのゆずの木」

たろうくんのゆずの木 おーい ゆず君 君は12月が近づくと 黄色くなるけれど 恥ずかしがっているのかい 少し照れているのかい たろうくんの家でも 冬至にゆず湯の 習慣だけれど いつも君が実を いっぱいつけるので 知り合いに配っても残って もう毎日ゆず湯…

昔書いていた詩(74) 「夜明け」 「乗客」

夜明け 夜の創造主が 行き交う男と女の 影を演出する 見知らぬ街の 水銀灯が 闇の壁を貫く たった今 停車場の 階段を登るのは 七面鳥 角材とヘルメットの 武装集団が 黙々と行く ああ 高速道路の橋桁にも 地下鉄の手すりにも 夜明けはない 私を追い越した風…

今書いている詩(74) 「たろうくんの桃の木」

たろうくんの桃の木 2階で臥せっている たろくんはベランダ越しに 桃の枝を見ています 雑木林で朝日がろ過されて 桃の芽の産毛を淡く 浮かび上がらせている 硬く小さい芽は 幼いあなたのようですね おーい 桃の木君 13年前には途中から 切られていたね ど…

昔書いていた詩(73) 「ノストラダムスの予言 」 「太陽」

ノストラダムスの予言 地球 それは大きな生き物 人々の涙で満ちた海 汗と血潮で彩られた大地 南と北に分かれた心臓が凍り 太古の昔より地球は廻る 悪と善との闘いに 人々を閉じ込めて 行き千万年光年の旅時から 今着いたばかりの隕石が 一片に秘められた願い…

今書いている詩(73) 「たろうくんの夜空」

たろうくんの夜空 あっ ねがい星 かない星 東の空に見っけたよ 半欠けお月さん 西の空に沈んだよ オリオン輝く南の空に 幸せの願い投げ上げてみたよ 流れ星ひとつ北の空に 捕まえたよ たろうくんの夢と あなたの恋 叶うといいね 星が揺れるから 明日は屹度 …

昔書いていた詩(72) 「瞳」 「流木」

瞳 野生の 瞳を持つ 貴女 その瞳に宿る 情熱が時を 喪失させる 男の腕から 宇宙に向かって 放射された 息吹 極北の 雪原に漂う 紅の 貴女の薫り 碧空に 野生の 瞳の貴女 流木 川に漂う流木 それを拾い 私は作る 研ぎ澄まされた 創造の世界 心を抉る鑿 槌音は…

今書いている詩(72) 「たろうくんのタイヤ」

たろうくんのタイヤ 小気味良い音を立てて スタッドレスタイヤが 路面を掴んでいる 唸っている ハガキ4枚程の大きさで 車体を支えている あなたは掴んでいますか 連れ合いの心を 家族の心を 友達の心を 恋人の心を 心を掴みきれなくて 泣いてはいませんか …

昔書いていた詩(71) 「扉」 「林道」

扉 夜明けの暗闇に 音を忍ばせて 窓を叩くのは誰だ 夕焼けの闇から はろばろとやってきた 客人よ お前の持参した持物を 軒下に置くが良い 街角に音楽があふれ 木陰に若人は集う けれども もう何もない 白茶けた俺の心 銀色に輝く箱 その中に秘められた 黄金…

今書いている詩(71) 「たろうくんのキュウイ」

たろうくんのキュウイ 塩化ビニールで作ったキュウイ棚が 自分の重みで壊れてしまっている 雨に濡れた樹が黒く光ってる 葉は残っていない 採り切れない実だけが残っている 枝は隣の 椿 モクレン 金木犀を 飲み込むように伸びて覆っている 全部切ってしまおう…

昔書いていた詩(70) 「若者」 「登山」

若者 若者の瞳は虚ろだ 蒸発した心 仮面の衣裳 暗い部屋の花束 地下室の酒瓶に 解剖室の水槽に 死臭は漂う 黒いカラスが コンクリートの 地面に群がる 暗紅色の夕陽が止まる プラスチックの心臓 アカインキの血液 偽りの営み 真実と正義を 消したのは誰だ 薄…

今書いている詩(70) 「たろうくんのエロス」

たろうくんのエロス 少女は何を見ているんだい 求めているんだい 遠い山かい 海かい それともあなたかい 瞳が求めているのは 美しい花かい それとも 邪悪な華かい 青年は何を求めているのかい 平和かい 戦かい セックスかい おーい たろうくんは何を 求めて…

昔書いていた詩(69) 「ウグイス」 「悪魔」

ウグイス あかん棒の 繁みに 鶯が チッ チッ と啼く夜明けに 寒椿は白い 衣を纏っている 水面は沈黙し 透明の 板で 覆われ 競り上がった 霜柱は 深く伸び 陽炎が 大気に充満し 薄い 氷に 穴が開く 川端の猫柳は 銀色に萌え 鉛色の大地は 蘇えり 合歓の枝に …

今書いている詩(433) 「たろうくんの祈りと詩」

たろうくんの祈りと詩 夢を諦めてしまったあなた 望みを失ってもがいてるあなた 辛いと感じているあなた 病と闘っているあなた 祈りなさいね 他力でいいのですよ 一心に祈るのですよ 信じて祈りなさい 疑っても祈りを やめてはいけませんよ 私にはあなたに向…

昔書いていた詩(68) 「リズム」 「スクリーン」

リズム 躍動するリズム その中で胎動する お前たちの 黒く覆われた大地 延々と続く 果てしない 緑の山並み その岩肌に 刻まれた空白の 時代の化石が 我らの祖先の 血の歴史を語る あの日 巨大な キノコ雲に怯えた 広島よ 長崎よ 世紀末には お前も 虫けらた…

今書いている詩(68) 「たろうくんの守株待兔(しゅしゅたいと)」

たろうくんの守株待兔(しゅしゅたいと) あなたはいつも 待ちぼうけ たろうくんもいつも 待ちぼうけ 待っても無駄ですよ 待ち人は来ませんよ 良い知らせも来ませんよ 良い出来事も起きませんよ あなたも たろうくんも いつも期待の海だけど 何もしないで 唯待…

昔書いていた詩(67) 「春雷」 「潮風」

春雷 巨大な大都会の午後に 春の女神が 風神雷神を連れてやってくる 人々は大古の昔に帰り 怯えて呪文を唱える 木々は薄緑の小枝を垂れ うやうやしく女神を迎える 青い閃光と轟きのうちに 春雷の儀式は終わる 大都会に春風が吹いている 潮風 海を渡る潮風が …

今書いている詩(67) 「たろうくんの愛欲」

たろうくんの愛欲 愛欲に悩んでいるあなた 性欲に悩んでいるあなた 恋に悩んでいるあなた 愛に悩んでいるあなた 自分の暴走に悩んでいるあなた それはあなたが人間だからです 人間をやめることはできない 一人では生きてゆけません 誰でもが父母から生まれた…

昔書いていた詩(66) 「スモッグ」 「バラ」

スモッグ 大都会の谷間で お前を思う時 スモッグと排気ガスで 汚れた 私の身体を お前たちは 黙って 迎えてくれるだろうか 私は心まで 汚れてはいないが 山頂で 私の身体の汚れは 排出されてしまうからね 待つていてね 山よ バラ 鋭い 短剣を 貴女の 胸に 突…

今書いている詩(66) 「たろうくんのひとりごと(5)」

たろうくんのひとりごと(5) 青春て何だろうね たろうくんのは老春だね みんなと同じように 笑ったり悩んだりしています さすがに 胸がキュンとすることは なくなっったけれどもね その代わりにドラマを見て 泣き虫に成りました 会社の美人の受付の女の子や …

昔書いていた詩(65) 「母(タツ)」 「声」

母(タツ) 成長した 息子に 幼き日の 面影を 思い出している 母の姿がある 子供の 健やかな 健康を願う 心が 滲み出る 目尻が 微笑んでいる 年月を 風雪に 耐え 艶のなくなった 肌に あかぎれの手に 顔のしわに 成長した 息子を 喜ぶ 母と女の 姿がある 声 星…

今書いている詩(65) 「たろうくんのモミの木」

たろうくんのモミの木 おーい モミの木君 君はいつからそこに立っているんだい 随分長い間そこに立っている 気がするんだがね 君は一年中青葉の衣を 纏ったままだね 北風は寒くないかい 夏は暑くないかい 雨は汚れを落としてくれるかい 慰めてくれるかい 雪…

昔書いていた詩(64) 「丹沢山」 「虹」

丹沢山 丹沢山塊は 五月の空に立ちつくす 長者小屋に集う 若者たちの 笑い声が 沢に 響き 白く帯を 引いた 水無川の 河口に 遠く 思いをはせる ザイルが ピィーンと張り 肩に鋭い 衝撃が 来る カラビナが 軋み 「大丈夫かあー」と 元気な声が 朝靄に 響く ハ…

今書いている詩(64) 「たろうくんのクリスマスツリー」

たろうくんのクリスマスツリー たろうくん いいのですか あなたのカバンの蓋が 開いたままですよ さっき 初恋の思い出が 零れましたよ 古道具屋で買った 値打ち物のエロ雑誌の 背表紙が覗いてますよ あのー 言いにくいのですが ズボンのチャックも開いてます…

昔書いていた詩(63) 「一日の始まり」 「愛」

一日の始まり 大地に 深い眠りが訪れる 乙女は土に 埋もれ 故郷に帰る 年月は流れ うたかたの 恋は コバルト色の 海に 人知れず 没する ヤシの実が 浜辺に 漂着する 真珠の雨が ヤシの葉を叩き 新しい 朝の訪れ もう一日が 始まっている 愛 若い世代の 創造…

今書いている詩(63) 「たろうくんの不思議」

たろうくんの不思議 私を待っていてくれた大幡(八・西寺方町)の 山よ 川よ ありがとう 私が今 此処にいるのが不思議です 私の家が此処に用意されていたのが不思議です その家に妻と娘と暮らしているのが不思議です 儀海上人が800年前に私の家の横を通って…

昔書いていた詩(62) 「山の秋」 「夢」

山の秋 鉛色の枝や 赤く変身した 葉っぱの 交叉する 透明な秋 ブナ林の 鳥の 啼き声の 鋭さに 光の ナイフが 谷を 切断し 山頂の 岩棚は 燃えている 夜は 尾根道を 降りてくる 山の旅人は 燃やし続ける 煙は 谷筋を 登り 過ぎゆく 時の中で 踊るのは 炎と人 …

今書いている詩(62) 「たろうくんのお休み(3)」

たろうくんのお休み(3) お天道様 昨日のあなたは ご機嫌が悪かったのですか 良かったのですか 朝はザーザー大雨 昼はポカポカ陽気 夜はビュービュー季節風 たろうくんの体も狂ってしまいます 久しぶりにFMさがみ83・9MHz聞きました なんで八王子にはFM…