昔書いていた詩(66) 「スモッグ」 「バラ」

スモッグ

 
 大都会の谷間で
 お前を思う時
 スモッグと排気ガスで 汚れた
 私の身体を
 お前たちは 黙って
 迎えてくれるだろうか
 私は心まで 汚れてはいないが
 山頂で 私の身体の汚れは
 排出されてしまうからね
 待つていてね
 山よ
 
    バラ
 
 鋭い
 短剣を
 貴女の
 胸に
 突き立てたい
 白い肌に
 赤い血潮が
 紅の
 バラとなって
 永遠に
 咲き続けるように
 貴女の
 胸に
 短剣を
 突き立てたい