昔書いていた詩(68) 「リズム」 「スクリーン」

リズム

 
 躍動するリズム その中で胎動する
 お前たちの 黒く覆われた大地
 延々と続く 果てしない
 緑の山並み その岩肌に
 刻まれた空白の 時代の化石が
 我らの祖先の 血の歴史を語る
 あの日 巨大な キノコ雲に怯えた
 広島よ 長崎よ 
 世紀末には お前も 
 虫けらたちも いないだろう
 宇宙を創造した 神々は彼方に 去り
 ビッグバンは 収縮し
 何も残らない 真空の世界が
 ある
 
    スクリーン
 
 白い紙に
 白の言葉
 黒の紙に
 黒の言葉
 見つめて
 閉ざされた日
 二つの網膜が
 結んだ
 黒と白の画像
 灰色のスクリーン
 灰色の彫刻
 足の鎖
 両手の錠
 鉄箱に
 閉じ込まれた私を
 誰も知らない
 神も 宇宙も
 白い紙に 黒い紙に
 灰色のスクリーンに
 書かれた
 私の心を
 知らない