2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

今書いている詩(331)

たろうさんの希望のドングリ 隣の家族が来年には 帰ってくる 駐車場の坂道は 車の出入りがある いつもは坂の上に 止まっていた 車が下に止まっている 奥さんが挨拶に来たときに 洋子さんが 「車を止める位置が違っているのですが 息子さんが免許を取られたの…

今書いている詩(330)

たろうさんの言訳 自分の心から 自由になりたい なんて駄目ですよ こころから逃れ られないですよ こころはしつこいよ 本当のことは どうしたのさ 真実はここに あるでしょうと くりかえし くりかえし 問答を仕掛けるのさ そんなときにはね こう答えるのさ …

今書いている詩(329)

たろうさんの放射線数値 友人の五十嵐君が 我が家の菜園と リビングのフローリングの 庭に出るところの床の 放射能をRD1503の ガイガーカウンターで 計測してくれました (彼は第一種放射線取扱主任者) みなさん大変です 公表値は地上1メートルですが 菜園…

今書いている詩(328)

たろうさんの蛇口(涙) 秋の虫が鳴いている 暗闇に響いてる 水道の蛇口から 水が滴り落ちる ポッタン ポッタン 涙なのかな 喜びの涙だといいね ただのパッキンか 節水コマを 交換すればいいのさ 思うよりも 簡単なことだけどもね 悲しいこころの涙は 拭えば…

今書いている詩(327)

たろうさんの九月の空(飛翔) 九月の青い空は 窪地にある池に 身を晒している その上を アキアカネが ホバリングしている わたしを見ている 笑っている 首をかしげている 「あなたは何を 探しているのですか 求めているのですか」 木々の空間に コガネグモ…

今書いている詩(327)

たろうさんの未来(予備) 「友達の結婚式の服を 取りに行くね」 娘から電話です 忙しく来て 冷蔵庫をあさり 帰って行く 君も未来に向かって 動いているんだね わたしも洋子さんも 君に未来を バトンタッチしたよ 今はもう君の部屋の 洋服の横に吊り下がって…

今書いている詩(325)

たろうさんの大根(萌芽) 空が青い9のつく日に 大根の種を蒔くと良いと言う 今日は母の月命日 畑が好きだった母に 一日でもこの家に 住まわせてあげたかったが もう20年も経たのか 洋子さんに種を 買ってきて貰ったら 「種はみんなアメリカ製だね」 そう…

今書いている詩(324)

たろうさんの都電 (赤信号) 降り出した雨に あの未来に続く 交差点を 曲がりきれなくて 縁石にけつまづいて 前ににつんのめった 希望は走り始めている 止まれない 必死に追いかける けれども 赤信号で夢も 遮断される ストップの赤旗を 降るのは にやけた…

今書いている詩(323)

たろうさんの和牛(飼育) 稲わらを食べながら 和牛が もぉ~と啼いた かわいいねとなでる ブラシをかける 生産者が もぉ~待てないと 泣く もぉ~食べてもいいよぉ~ とお役人 神さまなぜ人間は 草だけで生きられ ないんですか 仙人のように 霞で生きられな…

今書いている詩(322)

たろうさんの美容整形(決断) あなたはどこまで 美容整形すれば 気が済むのですか 目ですか 鼻ですか 唇ですか こころを先にすべきですよ 時間がかかりますが お金はあなた次第です 手術も難しいです まずこころの雛形を 作ります こころのこころを 作るの…

今書いている詩(321)

たろうさんの秋(空き) トイレの窓からは コオロギやスズムシの 声が聞こえる 世間が見える 裏隣の家のドラマが見える 食器の触れ合う音や かん高い子どもの声には 楽しい夕餉の光景が 浮かんでくる 癒やされます 洋子さんに聞くと 女の子と男の子がいると…

今書いている詩(320)

たろうさんの夏(復活) 娘が帰っていった 夏が戻ってきた つくつく法師が 一斉に啼き始めた ツクリンギョウ ツクリンギョウ 夏の恋は吹き始めた 秋風に醒めて戸惑い 迷い道です わたしも少年の頃に 切ない恋をした 病みもしました 今は見知らぬ人に 恋のパ…

今書いている詩(319) 

たろうさんの仏佛(2) 義母が帰って行った 仏佛(ぶつぶつ)と言って 入れ替わりに 娘が帰ってきた うれしい 今日はわたしも 洋子さんも ねるのが遅い 食事を終えて 洋子さんと娘は リビングの長椅子で 楽しい会話が 弾んででいる わたしも口を出すが 娘は…

今書いている詩(318)

たろうさんの選択(洗濯?) あなたは人生の 選択を誤ったこと ありませんか わたしは誤りました でも今から思うと それが最善だったのかも と思います わたしがわたしで あるためにね (ノー天気の幸せ者です) そう思うのは横から 洋子さんが助けてくれた…

今書いている詩(316)

たろうさんの現世・明日 2階のカーテンを 少し開けて 遠くの山並みを 覗く 日が差し込んで 眼がまぶしいから あの山の向こうに 何があるんだろうと ふと思う 子供じみてるね 希望や未来も 明るい明日もね あるだろうかな なんてね だってもう 通り過ぎた 過…

今書いている詩(315)

たろうさんのバッタ(信号無視) 部屋の中は明るい世界 窓の外は闇です バッタ君が 窓ガラスをスイスイと 登って行くね 器用なもんだね おいおいわたしが 裏から見ているよ それにしても 君は不気味に見えるよ 「わたしはあなたを 知りませんよ 無視(虫)で…

今書いている詩(314) 

たろうさんの夏(閻魔様) 八王子は残暑が厳しかった 夜になってようやく クーラーを切りました 東電はやきもきしただろうね 扇風機の風が 壁に掛かっている 娘の洋服の ビニールカバーを 揺らしている セミと秋の虫の 合唱も始まっている ごちゃ混ぜだね F…

今書いている詩(313)

たろうさんの仏佛(つぶやき) 義母が来ているので 2階の娘の部屋で 一日過ごしている 昼間は気づかないが 夜になると聞こえてくる 虫の音 遠のいた アブラゼミの声 壁に掛かっている 二つの時計の 重なり合う 秒針の囁き 網戸に 時々ぶつかる 狂ったセミ …

今書いている詩(312)

たろうさんの送り火(残暑) ダルマストーブに 石炭くべた 燃えてる 暑い夏なのに なぜ思い出したのか 冬のことだろう 昔のことだろう 燃えてる ほのほ(炎)に わたしは ふさわしくない 燃え滓(かす)が 似合ってる ああ65年も 生きてきた それだけが 勲…

今書いている詩(311)

たろうさんの夏(終章) ザワザワと一心に 桑の葉を囓り終えた おこさま(蚕)のように わたしも時を囓るが 消化できない 糸も吐けない 昔流した涙と 遠い夏の記憶に しがみついてる 山の彼方で 八月の夏が弾けて 茜の空に染まり 夕焼けとなって 映えてる 誰…

今書いている詩(310)

たろうさんの盂蘭盆会 (亡者の夏) わたしの縁者たちよ 亡者よ あなたたちはまだ 迷っているのかい 父よ母よあなたは どうだろうね わたしが今ここにいるのは あなたたちがいたから どんなに遠く離れた 世界にいても あなたの祈りで わたしの心は 満たされて…

今書いている詩(308)

たろうさんの迎え火 (祈り) 仏壇の過去帳に 遠い親戚の戒名まで 書き込んであるから 昨晩は迎え火を 玄関で炊きました 父母をはじめみんな来て 寛いでくれているかな たろうさんの背中には たくさんの人ひとが しがみついているから 重いですかね いや 軽い…