今書いている詩(313)

   たろうさんの仏佛(つぶやき)

 義母が来ているので
 2階の娘の部屋で
 一日過ごしている

 昼間は気づかないが
 夜になると聞こえてくる
 虫の音
 遠のいた
 アブラゼミの声
 壁に掛かっている
 二つの時計の
 重なり合う
 秒針の囁き

 網戸に
 時々ぶつかる
 狂ったセミ
 死が近いのか
 蛍光灯の光に
 吸い寄せられるのか

 明日も残暑が
 厳しいらしい
 でも汗をかかない
 わたしがいる

 残っている希望と
 愛があるから