今書いている詩(314) 

    たろうさんの夏(閻魔様)

 八王子は残暑が厳しかった
 夜になってようやく
 クーラーを切りました
 東電はやきもきしただろうね

 扇風機の風が
 壁に掛かっている
 娘の洋服の
 ビニールカバーを
 揺らしている

 セミと秋の虫の
 合唱も始まっている
 ごちゃ混ぜだね

 FM横浜さん悪いけど
 夜の番組は
 若者向きでつまらないから
 切りますよ

 開け放しの窓からの
 風が蛍光灯の
 スイッチのひもを
 揺らしている

 エンマコオロギが
 啼いている

 「閻魔様あなたの所へ
  まだ逝きたくありません
  浄玻璃の鏡をピカピカに
  磨きますから
  お召しはもう少し先に
  してくださいね」