今書いている詩(324)

   たろうさんの都電 (赤信号)

 降り出した雨に
 あの未来に続く
 交差点を
 曲がりきれなくて
 縁石にけつまづいて
 前ににつんのめった

 希望は走り始めている
 止まれない
 必死に追いかける
 けれども
 赤信号で夢も
 遮断される

 ストップの赤旗
 降るのは
 にやけた死神さん

 「おぉーい待ってくれ
  こにいるんだよぉ~」
 置いてけ堀で叫んで
 いるのは誰ですか

 未来・現在・過去を
 連結している
 都電は今日も
 走ります

 「次は 未来です」
 アナウンサーの声が
 飛鳥山の大曲がりで
 放り投げ出されて
 転がった