今書いている詩(325)

  たろうさんの大根(萌芽)

 空が青い9のつく日に
 大根の種を蒔くと良いと言う
 今日は母の月命日

 畑が好きだった母に
 一日でもこの家に
 住まわせてあげたかったが
 もう20年も経たのか

 洋子さんに種を
 買ってきて貰ったら
 「種はみんなアメリカ製だね」
 そうかアメリカの戦略かと
 今更ながら驚く

 暑いので蚊に刺されないように
 かっぽう着にジーンズを
 半分に切った短パンと
 長靴姿の洋子さん

 わたしは涼しいときに
 菜園を耕しておいた
 午後の日差しは強い

 よく見ると洋子さんの足は
 細くてゴボウのようだね
 種の袋には三浦大根とある
 白く太い写真が
 妙になまめかしい
 「あなたの足のほうが白いわね」
 (いくら白くても老けた大根だな)

 「野田さん国民のために
  いい大根おろしになってね
  (消化不良を助けます)」
 今日は嵐の前の種まきでした