今書いている詩(210)

    たろうさんの調和

 青葉の季節は木の本質を
 隠しているに違いない

 冬に静脈のように成って
 立っている緩斜面の
 クヌギ林の枝が好きです
 隠せないほど真実を
 露呈しているので

 それに比べれば
 春の青葉は脱ぐ前の
 ストリップショーのようですね
 準備されていたのです

 でも寒い冬が嫌い
 たろうさんは
 春が好きです

 だれでも凝然と春を
 待ち構えていたのです
 あなたは「わたしみたい」と
 思いませんでしたか

 レオナルドダヴィンチの
 ウィトルウィウス
 人体的挿絵のように
 人の心も調和が必要な
 春なのですね