今書いている詩(133)

   たろうさんの恋?(3)

 ○○真紀さんがたろうさんの
 勤めていた学園に入社してきたのは
 20歳頃であろうか

 最初の印象は美人ではあるけれども
 斜に構えているところがあった
 地元で一番のH高校を出ているとのこと
 何故大学に行かなかったのだろうと思った

 銀行廻りや郵便局なとの雑用で
 車でつれて行く機会がよくあった
 少しずつ話すようなり警戒心も解けて
 笑顔も見えるようになった

 彼女はお金に困っていたのだ
 よくある話で両親の離婚で
 戸建ての家の借金の返済に追われているらしい
 それが彼女のお金に困っていた理由である

 それにしても彼女が書く字の下手なことには驚いた
 これでよくあのH高校には入れたものだと思った
 本人もそれはよくわかっているらしい

 学園にも慣れて明るくなったが勝ち気な面もあった
 山の歩き競争にも同僚と出ているらしい
 驚いたのは金属バットを買いバッティングセンターで
 ボールを叩いてることだった
 実習の時間にフォークリフトも乗り回している
 こんな女事務員はいないだろう

 いつも銀行廻りの時に「宝くじが当たったら秘書兼運転手として
 雇ってあげるよ、高給でね」と約束していた
 たろうさんの大風呂敷きである
 本人はジャンボ宝くじを一枚だけ買うと言う
 これではロト6を買い続けて当たったら
 すぐに電話を入れてあげたい

 年賀状に「わたしは今もいます」の添え書きが来た
 今も連絡がつくたろうさんのお気に入りの彼女である
 もちろん恋のお相手ではない