今書いている詩(456)

たろうさんの足跡

 二面ほど野球が出来る
 河川敷のグランドの
 真ん中に
 ズンズン入ってゆく
 大人が二人遠くの
 ベンチに座っている
 動かない
 日が傾いて
 背中を照らしている

 盛り上がっている
 マウンドに上がってみる
 意外と高い
 ピッチングプレートに
 足を掛けてみる
 ホームは遠い
 かっては近くに見えたのに

 インフィールドの
 砂の上を 横切る
 ズッズッと行く
 足跡がつく
 自分の足跡を
 振り返る
 何度も確認する

 撫肩でピッチャーに
 向いていた少年時代
 野球道具が買えなくて
 理科部にいた
 苦い思い出が
 右手からホームに
 転がる

 でもいいんだ
 もう老人だから
 ボールは投げない
 「言葉のキヤッチボールを
  今はしているよ」

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