今書いている詩(350)

    たろうさんのクマザサ (郷愁)

 ほんの少しわづかに
 覗いた日の光に
 名前も知らない
 草の露が
 光る 輝く

 ベランダに
 伸び損ねた
 ゴーヤの蔓の
 先っぽに
 黄色い花が
 ポッンと咲いて
 希望を求めて
 虫たちが集る

 金のなる樹の
 植木鉢が
 跳ね返った
 雨の滴に
 汚れちまった
 (これではお金に
  縁がないんだ)

 コジュケイ(小綬鶏)が
 飛び立った
 あのクマザサは
 今もあるだろうか

 昔 男が買いに来た
 遠い日の未来が
 今の現実だ