今書いている詩(334) 

   たろうさんの幸せ信号

 ひとの幸せを願うこころは
 身近な人ならば尚更強くなる
 娘の友達のかどちゃんは
 ユニークな女の子の上に美人
 お母さんもユニークで
 かわいい人らしい

 そのかどちゃんが
 9月に結婚式を挙げた
 当日は台風の余波で
 雨も風もすごかった
 千葉の青い海が見えるからと
 式場を決めたが
 海は大荒れで
 茶色の波しぶきだった

 お腹に子どもがいる流行の
 できちゃった結婚
 正月には生まれるという
 早く式を挙げないと困るのだ
 お父さんは「順番が違う」と
 つぶやいてばかりいたそうだ

 結構ですよ いいのです
 娘の式のときには
 新米ママですね 
 おめでとう
 中学・高校の同級生で
 数少ない友達が娘なのだ
 頼りにされている
 困ったことがあると
 娘の勤めている店に来る

 「友達の中で一番美人だってね
  お前のほかにはね」
 「そうよ わたしを抜いてね」
 そんな会話を車の中でする
 バカな親子です
 加藤君もわたしと同じことを言う
 「さっちやん写真撮ってきてね」

 銀行は辞めないそうだが
 「無理じゃない」と洋子さん
 わたしも娘の式で会うのが楽しみ
 バージンロードを歩くときに
 失態を演じるのではないかと
 早くも心配をしている

 「人生には荒波もあるけど
  凪(なぎ)もね」と
 かどちゃんにエールを送ります