今書いている詩(299)

  たろうさんの夏 (空蝉)

 涼しくて夏らしくない
 夜の始まりに遠雷
 急に土砂降りの雨
 あなたが泣いて
 いるのですか

 明日も涼しいらしい
 扇風機も首を振らない
 竦(すく)んでいる

 八王子の軽井沢に
 もう秋風かな
 節電 節電と
 騒いだのは誰かな

 時雨の時刻に
 静かに心の癒えた
 わたしに乾杯を

 カナカナ(蜩)君が
 盛んに啼いている
 今年の夏も終わり
 もうすぐ立秋ですね

 網戸に空蝉
 「あなたの心も時雨れて
  いませんか」