今書いている詩(298)

   たろうさんのコガネグモ(女郎蜘蛛)

 夏の朝は早起きですね
 神社の軒で獲物を
 捕まえようと蜘蛛の巣の
 真ん中でじっとしている
 コガネグモ(女郎蜘蛛)さん
 ごめんね君の巣を頂くから
 君はまた張り直してね

 何に使うのかって
 これはねセミ取りに使うのさ
 ほらね 竹の先に針金を
 丸めてそれに巻き付けて
 セミ君を取るのさ

 知っているかいセミ君はね
 カナカナゼミ・ニーニーゼミ
 アブラゼミ・ミンミンゼミ
 オーシンックの順に啼くのさ
 夏はセミたちの恋の季節さ
 7年目の浮気じゃなくて
 7年目の本気だよ

 木に張り付いてる
 セミ君に聞いてみたいね
 今年の夏はどうだい大変かい
 クモ君も新しい獲物が
 架かるといいね
 わたしは洋子女郎蜘蛛に
 架かった獲物さ

 今の家の軒で獲物を待っている
 コガネグモ(女郎蜘蛛)さん
 たろうさんは老人だから
 セミ取りはしないよ
 安心して網を張って
 獲物を待つんだよ

 「洋子さん わたしは蜘蛛の糸で
  身動きできないよぉ~」