今書いている詩(297)

   たろうさんのハヤ(自在)

 弁天島のあるいびつな池に
 住まうハヤが私です
 いつも気ままに泳いでます
 ここの水しか私は知りません

 水がぬるんで大雨の季節に
 外の世界に通じる水路が溢れ
 自在の国へ行く扉が開くのです
 池の傍にはアジサイの花が 
 夢も希望もなく咲きます

 でもこの池が好きなのです
 出てゆく仲間もいますが
 帰ってきた仲間はいません
 私はとどまり続けます
 餌が無くても私には
 清らかな水があるのです

 いびつな空に見えるのは
 日と月と星にわらしです
 誰だろう私の池に
 釣り糸をそっと垂らすのは
 いつも顔を洗いに来る
 わらしでねぇ~かぁ~

 それなら食いついてみるか
 私の望む幸せの川に
 連れて行ってくれるかもな
 「でも 三途の川は嫌ですよ」