昔書いていた詩(190)

   公園

 
 団地の公園の皐月が
 青空に咲いている
 雨に打たれた
 緑も深みを増す
 
 日差しが今日も強い
 自動車の騒音が
 垣根に吸い込まれてゆく
 
 子供たちが遊ぶ
 サッカーをして
 ボール投げをして
 ゴム飛びをして
 
 誰もいない集会場が
 片隅に立っている
 夕方になると
 水銀灯が黙って灯る
 
 
    折り紙
 
 僕は夢の中で
 過去の歴史上の有名人に会う
 
 僕の想像力は
 夢の中では飛翔しているが
 僕自身を耕しているだろうか 
 
 飛べない鳥が今日も嘆くように
 僕も夢から醒めれば
 唯の人になってしまい
 夢は朝日にかき消される
 
 夢が醒め
 不眠症の僕の瞼が
 重くなったシャッターのように開く
 
 娘の折り鶴が
 僕の夢の扉に挟まっている