昔書いていた詩(189)

    錆び
 
 僕は目も見える
 体中どこも悪い所はない
 テレビで障害を持った人の
 絵画を見たが
 僕は五体満足でも
 それらのなに一つも
 なすことが出来ない
 言い訳ばかりの毎日は
 草を食べて反芻する牛以下
 平凡でも努力する心があれば
 それ以上になれるのに
 今は僕の時間が
 錆びているのだ
 
    拒否
 
 小児喘息の娘が
 薬を飲むのを嫌がる
 その時の状態が
 私の出社拒否に
 よく似ている
 3歳で標準より大きい娘
 将来 登校拒否でもしたら
 先々のことばかり考える私
 嫌なことを強制できない私
 泣いて訴える娘の顔を見る私
 強情なところは誰に似た
 困り果てた私がいる