今書いている詩(188)

  たろうさんの灯火

 ひのもとでは輝きも薄れて
 漆黒の中では自らを
 顧みられずに孤独な日々

 あなたは自ら光となれますか
 人は光を求めるが輝けない

 闇の中で人々は蠢くばかりです
 信仰という光があるばかりですが
 それも忘れて現世を生きている

 あの世では人は輝いていますか
 いやそれも判らないと言い
 あらゆる光を作り出して
 神を越えたと思う

 闇を克服できましたか
 電気の力を原子力に変え
 尚も光を求めている
 大規模停電が起きると言われ
 右往左往する私たち

 神が存在した時代に戻れますか
 心の中では戻れますよね
 でも心の中だけでは
 満足できない欲望の膨らんだ
 世界を創造してしまった

 わたしもあなたも今更
 後戻りは出来ませんね
 文明の列車は走り出しているのです

 東日本大震災という駅に
 停車している間に
 乗客は降りて
 新しい駅に向かって
 今度は鈍行の汽車で
 また走り出します

 時が止まらないように
 私たちも後戻り出来ませんね
 新しい命が生まれ
 繋いで行かなければ
 未来が見えないのです
 人間は悲しいですね

 空気だけでは生きて行けません
 あらゆる物を消化して
 生き抜いてきたのですね
 でも神を越えたと
 思ってはいけませんよ
 あなたもたろうさんもね

 遅くはありませんよ
 信仰の灯火を心の中に
 点けましょうね
 火打ち石でも良いのですよ