今書いている詩(184)

   たろうさんの痕跡

 風呂から出ると直ぐに
 たろうさんは洋子さんに
 帯状発疹の跡に塗り薬を
 つけてもらう日々が
 今も続いています

 帯状発疹は右胸から
 右腕へ後ろの肩まで
 ちょうど肋間神経痛に
 沿って出来たのです

 右脇と背中はまだ痛みます
 暖かくなったら少し良くなるかと
 はと思っていますが
 時間が掛かりますね
 「十年も掛かる人もいるからね」
 と嘱託医さんがいわれました

 その前には下肢静脈で左足の静脈を
 所々切断しました
 其の傷がまだ残っています

 3・11の傷跡は東日本列島に
 深く皺として刻まれたのです

 多くの尊い命が消え
 福島源発の後遺症は
 収まりそうにありません

 時々見せてくれる被災者の
 笑顔に逆に救われます

 洋子さんが駐車場の
 コンクリートにつけた
 箒の掃き跡等はジョークですね
 加藤君の靴跡も消せるでしょう

 被災者の心の傷跡は
 何年かかれば
 癒えるのでしょうか

 すべての人たちが
 笑顔と微笑みを取り戻す日まで
 私たちも共に頑張ろうでは
 ありませんか

 明日への希望を持って
 私も詩を書き続けますよ
 明けない朝がないようにね