昔書いていた詩(134)

    天気予報
 
 明日は晴れか曇りでしょうと
 気象庁の予報官は言ったのに
 朝から雨が降っている
 この月給泥棒めと言ってやりたい
 気分だから ああ 桜が散ってしまう
 妻と娘が雨コートを着て
 新規開店のミニスーパーに行って
 アイスクリームを買ってきた
 (のちに殺人事件のおきたスパーナンペイです)
 
 
    夢(8)
 
 夢のなかで僕は長廊下を
 座りながら滑ってゆく
 女達が座っている
 そのすべての女の性器に触れ犯してゆく
 教室のなかでは授業中
 僕は総ての手段を超えて
 夢のなかで翔んでいる
 夢は僕の水溶液だ
 増殖するアメーバ―のように
 夢の言葉は消長する
 
 
    娘
 
 娘の世界は小さい世界
 遅れてきた娘の世界
 ちょこまかと奔り廻る
 たどたどしい言葉に
 父は満足する
 娘が昼寝をしている
 かすかな寝息をする
 そっと頭に手をやる