今書いている詩(134)

    たろうさんの告別式

 このところ仕事で葬式に行くことが多い
 昨日は通夜で今日は告別式だった
 たろうさんは父母の葬式も出したが
 中学・高校と代表で出席していた
 妙に縁があった

 高校の時は女の子であったが
 遠くから見ていたら棺桶から足が見えていた
 寂しい出棺であった
 この子の家も貧しかったのだ
 たろうさんも夜学であったから同じである

 子どものころは前の家が神主さんで
 神式の葬式であった
 太鼓をたたいて祝詞をあげていた
 当時は土葬である

 今はお金があれば葬儀は立派なものになる
 会社に在職中であれば人も集まる
 
 今日の告別式の人はたろうさんからすれば
 派遣先の人である
 劇場で待機の時には真っ先に
 「清水さんご苦労さんです」と笑顔で
 声を掛けてくれる配慮のできる人であった
 
 この人の魂は救われるだろうか
 残された家族はどうなるのか
 元妻はどう思っているのか
 いろいろ考えさせられる死であった