昔書いていた詩(129)

   革命

 
 乳白色の空から
 爆音とともに
 黒い機体が顕われる
 
 操縦士たちの眼下には
 僕たちの街や野原が
 鳥瞰図のように広がっている
 その中に僕の住む団地もあるのだ
 
 僕の眼はミサイルのレーダーとなって
 機体を追尾し
 僕の篤い願いはミサイルの
 発射ボタンを押す
 
 北の国で撃墜された
 異国の機体は
 ゆっくりと尾を引いて落下する
 
 おう 僕らの圧倒的な勝利よ
 そして支配者の死の償いの
 高さによって僕の
 日常も変化するのだ
 
 自国の民よ
 魂の高揚を抑えて
 前進するのだ
 蟻の隊列のように
 少しずつ確実に
 現実が変わって行くまで
 
 (今どきこんな考えを持っている者はいないだろう、昭和62年4月2日の私の想いです)