昔書いていた詩(124)

  夢

 
 僕は夢のなかで
 15代将軍慶喜に出会う
 260年の幕府に
 終りをもたらした男は
 夢のなかでは弱々しく
 その廻りを家臣達が
 取り囲んでいた
 
 動乱の時代に
 人々は夢に総てを託して
 働いたが 刺客だけは
 命のままに動き
 死んでいった
 
 命のキヤッチボールの時代
 それでも人々は
 精一杯 時代を生きた
 
 (実際の慶喜は強かであった)
 
 
    夢 (2)
 
 桜の咲く頃になると
 新学期が始まる
 
 その頃になると
 僕は必ず
 学校時代の夢を見る
 
 其処では僕の
 青春も輝いていた
 
 気がついて目覚める朝に
 桜も散っている
 
 僕も現実に向かって
 今 目覚める