今書いている詩(92) 「たろうさんの灯油」

    たろうさんの灯油

 「お寒む小寒む 山から小僧が…」の
 歌声を流しながら
 灯油売りのおじさんが
 今日もやって来ました

 たろうさんの家を
 通り過ぎてしまったので
 あわててたろうさんは
 呼び止めました
 「家にもお願いします」
 車はバックで戻って
 来てくれました
 ポリタンク2つで
 3160円でした

 寒がりで着膨れした
 たろうさんを
 心の中まで
 温める灯油が
るといいですね
  
 今日も娘さんが
 帰ってきます
 洋子お母さんは
 娘さんの好きな
 イチゴを買いました
 
 「もっと温度を上げてください」
 寒がりのたろうさんが言います
 暑がりの洋子さんは
 嫌な顔をして少し温度を上げます

 この灯油でも心が
 温まらないのですか
 たろうさん
 ファンヒーターが
 唸っていますよ

 今夜も星が揺れていますね
 八王子は明日氷点下5度ですよ
 たろうさんはもう寝ています