今書いている詩(90) 「たろうくんの夕焼け」

   たろうくんの夕焼け

 雲の隙間から
 陽が差し込む
 夕焼けの里が茜色に
 染まるころ
 「カア カア」烏が
 勝手に啼くんだよ

 昨日は元三大師の
 ご命日なのに
 「カア カア」烏が
 啼くんだよ トンビが
 グルグル廻っているんだよ

 庭の菜園の大根も
 冬菜も 早取り京一カブも
 出来が悪くて
 春の菜の花は最悪だね
 でも時間は過ぎて
 たろうくんの定年は迫ってくる

 たろうくんは帯状発疹で
 寝ているが 娘さんが
 帰って来るから
 落ち着かないねたろうくん
 寝ていられないよ
 いそいそとバス停まで
 車でお迎えですよ

 啼くなよ烏 トンビよ帰れ
 娘よ 帰っておいで永遠に
 彼氏と共にね?

 今日も夕焼けの里に
 夕焼け小焼けの
 チャイムが響いて
 救急車が走ってゆきます
 バイクが走り廻って
 パトカーが追いかけてます
 
 幸福と不幸は裏表で
 嬉しさと悲しさが
 交差するたろうくんの
 こころに今日も
 夕焼けが綺麗に映えていますね