昔書いていた詩(1) 「面接者」

面接者

 天井の蛍光灯は片眼 
 瞬きしている
 部屋には50サイクルの送風機 
 壁際のスイッチ 
 沈黙を続ける

 このビニールのテーブルかけの
 蛇の目模様は記憶にあります
 遠い昔石ころのように投擲された 
 時のボール その落下点で
 繰り返し行われた葬式の予行練習 
 その棺を包んでいたカバーと同じ色と輝き

 窓にはブラインド 真夏の光を遮っている
 面接官は誰も同じことを聞き 
 面接者はしくじりらぬように答える
 ああ こんな答えで 子供たちの未来は  
 横断歩道で立ち止ってしまうのか
 ランドセルの中で本たちは 蝕まれてはいないか

 突然の警笛に阻まれて  
 あらぬ方向に発射された弾丸は
 どこに行った

 そうだろう 大人たちの気紛れな 
 配線図の間違いから
 子供たちの未来は 
 ランドセルの中で踊っている

 川・石・土手・家・電線・電車・松・丘
 そこは徐行 そこは停止線 そこは終着駅

 *稲城の黒沢通信機に面接にいった。不採用であった時の出来事、かなり昔