2013-06-15から1日間の記事一覧

昔書いていた詩(1) 「面接者」

面接者 天井の蛍光灯は片眼 瞬きしている 部屋には50サイクルの送風機 壁際のスイッチ 沈黙を続ける このビニールのテーブルかけの 蛇の目模様は記憶にあります 遠い昔石ころのように投擲された 時のボール その落下点で 繰り返し行われた葬式の予行練習 …

今書いている詩(1) 「すくう」

「すくう」 池の辺に立った弥陀は 水を漉くってハスに注いだ 後ろの観音に 「私には誓願があるよ」と囁く 観音は微笑んで頷く 池の其処此処で ハスの花がポンと 音を発てて咲いた たろうくんは池の氷を 小さな手で割って顔を洗う 寒い日も暑い日も 前に住む…