2013-06-20から1日間の記事一覧

昔書いていた詩(6) 「検札者」

検札者 不眠症の都会の地中を 鋼鉄の電車が走り続けます 座席の女は 身動きもせず 犯されたセックスを 開いています 白黒の切符には 日付がないから 女は眠りたくても 眠れない 眠りたくても 眠れない女と 止まりたくても 止まれない電車 『哲学者の考えには…

今書いている詩(6) 「父(あの日あの時)」

父 (あの日あの時) 「たろうはこの長い四角の皿にカボチャのスープを 入れてスプーンで叩くとニコニコしながら這ってきた」 姉と私は双子であったので父は配給のミルクを 怒鳴り合いの喧嘩をしながらもらってきた 古井戸のそばで水を汲んでいる父に 「ぱっぱ…