今書いている詩(481)

   

    たろうさんのサッカーボール

 

 愛と不安が
 いっぱい詰まって
 膨らみすぎた
 ボールを
 守護神の
 ゴールキーパー
 思いっきり
 2月の
 空へ蹴り返すと
 わたしはボールを
 見失う

 重力から解放されて
 無重力の世界へ
 それは現実から
 虚実の世界へと飛ぶ
 あなたとわたしの
 希望と幸せの
 行方へと似ている

 でも何処までも
 いつまでも自由に
 飛ぶのではありませんよ

 やがて神さまが
 キャッチして
 愛の小指で弾くと
 娘のお腹に宿り
 幸せの子どもとなって
 産声を上げるのです

 「これって 奇跡の
  始まりですよね
  神さま」