今書いている詩(480)

    たろうさんの節分
 
 友人から「たろうさんお寺で豆撒きがあるから行ってくれる」と電話があった 「いいよう~」と二つ返事で答えた 「時間は?」と言うと直ぐに「2時から」と帰ってきた 前の日に「楡の木で」二人でコーヒーを飲んでいた 
23日に仕事から疲れて帰ると友人の金子正から電話で「楡の木に入るから夕食に来ないか」と誘いの電話が来た 「今日は駄目だよ」断ったが 明日は休みだと思い「ゆくよ!」と言って出かけた 洋子さんは「またにしたら?」と言わんばかりの顔をした 新しい仕事に努め始めて3日めだった
 この西寺方に来て13年目で初めてゆく店で「どの辺だ?」と聞く 「小田野の接骨院の所を上に行ったた所の狭い道でキーコーヒーの看板があるよ!」と友人の声 洋子さんは職場の同僚と行ったような気がするという 雨が降っていたので「気をつけてね」と心配する声を後に車で行く
 店の横の空き地に車を入れると 傘を被った人が「そこでなく こちらです」と反対側の空き地へ案内してくれた 「車が止まっているので空いているところへ頭から止めて下さい」と言われた 友人はもう食事を食べ終わりそうだった 「たろうさんからの年賀状 この所2回続けて切手シートが当たってるよ 縁があるのかなぁ~」「うちは100枚くらい来たが一枚も当たらないよ」 「そういえば お前昔 粘土細工を小判で磨いていたな」と盛り上がって昔話をしていると客が来た
 見覚えのない太った女の人 友人の知り合いでなじみの客のようだった 「その声は たろうさんじゃない」判らずにいると「声でわたし判ったわ」と言う 「高校の同級の 小泉よ」 それでも判らなかったが話しているうちに他の女の子名前から思いだした 懐かしい名前があった 卒業してからもう40数年経つ 中学校の同級生の顔も判らない 物覚えが悪い 「生徒会長をしていて 檀上でよく話していたからなぁ~」と言って「今度合うあの子に渡してくれよ」と名刺を渡した
 8時頃に外を見ると雪が激しく降っていた 「帰るよ!」と店を出た 雪が車に積もり始めていた 家までの道をワイパーが掃いても見えないほど激しく降った 案の状夜に雪かきに朝でて下さいと電話があった 明日は休みの筈だった 次の日雪かきを半日して終えた それから仕事を辞めてしまい行ってないのだ
 節分の前の日に「楡の木で」友人とまたコーヒーを飲んだ
 金子正は此の地でam pmをやっていたその時に高速の回数券を買った 店を閉めた後にやっていた「すえひろ」という酒屋だけを直ぐ近くの家で始めた わたしは酒を飲まないので縁がなかった いつしか年賀状を交わす仲になった 此処に越したとき彼の家の前を娘と歩いていたときに声を掛けられて判った 中学校の同級生は気心が知れているのでいい
 お寺に行くと友人はもう来ていた少し手前で誰かと話している 側にドラム缶があり火が燃えていた 「よう! 金子」と手をあげる 髪の毛が薄いメガネを掛けている 「ドラム缶に背を向けていると服が焦げないか」と笑いながら言う
 本堂の前で記念撮影が始まったのでデジカメをかざして写した 小川直也がいた 後で友人から 元監督の土橋もいるよと教えられた 豆撒きが始まると叔母さん達が取ろうと本堂に押し寄せていた 豆袋が3つ飛んできたので素早く2つ拾った 「豆は 俺が貰ってくるよ」と言って友人は両手に落花生とお札をくれた 持つべきは友だ それをポケットに押し込んで雪で凍っている近道を上った 滑って危ないのでよそうかと思いなからも手を突きそうになりながらのぼり終えた 別れ際に兄の嫁だという妙齢の細いメガネのご婦人の顔が浮かんだ
 お賽銭は百円と五十円に十円五円玉二つを入れて拝んだ 「百七十円で御利益があったよ 友人はいいね」 しみじみ洋子さんに言う お札を玄関の両脇に貼る 「貼り方が判ったか」と友人から電話がある「ありがとう 今貼ったよ」 「きだみのるの資料ありがとうな」と声がした 黒の長財布にもう一つのお札を一万円札の後ろに入れる 夜に家の玄関とリビングを開けて豆を小声で撒く 「福は内 福は内 鬼も内 鬼も内」
 
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