今書いている詩(287)

たろうさんのコレステロール

 血管の中で自身の重みで
 固まってしまった
 こころのコレステロール君よ
 わたしの未来を
 押しとどめないでくれ
 其処を流れる熱い血潮を
 堰き止めないでくれ

 君には其処にとどまる
 権利なんてないんだよ
 かって流れていた
 ヘモグロビン君の
 影を引きずって
 怯えていたように
 あの幸せな時代を
 お願いだから返してくれ

 君はもう勝利者で
 いまのわたしは
 滲めな敗残兵だ
 こころの目印のフンドシも
 汚れて洗えない

 でもかっては愛の喜びに
 震えたこともあったのに
 今は検査という追跡を
 受ける身の上で哀しい
 言い訳に泣いている

 血管で膨らんだ
 夢と希望がわたしを
 たじろがせる
 「洋子さん 玉子食べたいよぉ~」