今書いている詩(279)

たろうさんのパラボラアンテナ

 ベランダに取り付けられた
 二つのパラボラアンテナ君は
 天に向かって身構えている

 わたしがどんなにこころの
 谷間に住んでいても
 素晴らしいおおらかさで
 あなたからの微弱な
 愛のシグナルを
 受け止めてくれるのさ

 わたしは時には
 シャコ貝のように
 ひっそりと海の底で
 孤独を楽しんでいるのさ

 人食い貝と言われるが
 言葉を食べているんだよ
 獲物のあなたを
 口を開けて待っているのさ

 本当のことを知りたかったら
 洋子さんに聞いてね
 「あらそうかしら わたしも
  食べてるわよ 明太子」