今書いている詩(253)


    たろうさんの母 (2)

 朝方二度寝をしたら
 母の夢を見た
 足の悪いはずの母が
 昔住んでいた団地の
 狭い廊下を 
 すうーっと
 歩いてきた

 50代の頃の顔で
 わたしは嬉しくて 気絶した
 その時に 誰かの声がした
 「…ちょっと…」と聞こえた
 「妹の声かな…」 
 
 妹は去年の10月に
 子宮頸がんの手術をした

 起きて直ぐに仏壇に
 線香を上げる
 叔母の月命日だった

 ちぃ~ん ちぃ~ん
 おりんを ならす

 老いと病が みぢかに
 迫っている
 ロト6を買いに行く