今書いている詩(242)

   たろうさんの腕時計

 40年も昔に
 やはり無職で
 ぐうたら寝ばかり
 していた

 見かねた母が
 自動巻で防水の
 腕時計を買ってくれた
 娘と館山の海でも
 はめて泳いだ

 バンドが壊れて
 もう20年も
 宝物入れの中で
 眠っているはず
 母も遠い国で
 眠っている

 フリフリして
 動いたら 素晴らしい
 バンドを直して
 腕にはめようか

 そうだ洋子さんに
 「お金 おねだり
  しよう~っと」