昔書いていた詩(219)

    うたた寝
 
 私は不眠症
 朝まで起きて眠る
 うたた寝して
 夢を見る
 
 生まれ故郷の
 産土の社が
 御殿のように立派な
 姿で建っている
 子供の頃にも出てきた
 
 そして今は娘と一緒に
 添い寝する
 娘は私に「あっちへいって」と言う
 娘はもうすぐ5歳になる
 
 故郷を離れて30数年
 今も帰れない
 いつまでうたた寝を続けるのか
 
 私の人生のすべては
 仮眠のまた夢の夢
 その繰り返し
 「胡蝶の夢」に似て
 今も醒めない