昔書いていた詩(191)

 

    貝
 
 都会は疲れた心を癒す
 オアシスがない
 地中に吸い込む空気孔がない
 
 郊外に住む僕の所にだって
 星はわずかに見える程度だ
 貴女は家へ帰って
 編物でもして下さい
 
 私は時代に取り残され
 浜辺に打ち上げられた
 貝拾いに出かけます。
 
 
    2号室
 
 スペースシャトルは
 何処に向かって
 打ち揚げられるのでしょう
 
 僕の知らない世界で
 途方もない計画が
 始まっているので
 僕の住む団地もあわただしい
 
 仙人がいると言う2号室の
 ブザーが押されるたびに
 僕の計画が
 狂ってゆくのです。