昔書いていた詩(186)
百日紅
猿滑の花の色は薄紅
僕はそう思った
しかし 色覚異常の僕のこの目に
映ったこの色の真実は何だろう
白黒にしか映らぬ人々もいる
僕は夜そっと娘に教えてもらおう
いま娘は保育園に言って食事中だ
久しぶりの青空が
猿滑の向こうに見える
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僕の中で昨日今日
感じたことが
それほど簡単に
表現できる訳がない
遠い時代に出かけて
僕の知らない
過去を見つけよう
机の上で管理された伝票が
僕の道案内をしてくれる
そうでなければ退屈そうに
引き出しの中で眠っている
少し大きめのホチキスで
この誇大広告をとめてくれ