昔書いていた詩(185)
夢(30)
二人の兄弟
兄は千重 弟は千波
2本の無銘の刀を持ち
兄は楽天的で弟は物思い
或る日兄は先祖の郡代が
桐を片手切りした刀で
据物切りしたが仕損じた
弟は友達の加勢に行こうとして
押しとどめられ刀を見つめる
村祭りに人々が刀を差して
集まるこの村では
刀が必需品である
兄は弟が試切りしようとすると
「教えてもらったようにせよ」と言う
夢(31)
織田信長に加勢していた
土豪が山の中に立てた
立派な墓がある
先祖代々から並んでいる
子供たちにその人々の
事を教えてもらう
子供たちは村人さえも知らない
秘密の抜け穴を教えてくれた
穴に入るための火までくれた
穴の入り口は水溜りになっていた
降りてゆくには戸惑う
姫に聞くと姫は微笑んで答えない
一番立派な墓は誰だろう
飾りの付いたその墓の主は誰れか
周りにかがり火が燃えていた