昔書いていた詩(138)

   宝くじ

 
 夢のなかで
 僕の宝くじが当たった
 僕は色々な使い方を考えた
 その中にスポーツ店の経営と
 卸会社の経営があった
 目覚めて新聞を見ると
 夢は消えて行った
 
 
    ヤスリ
 
 ヤスリで削ってしまう
 鋭い感性と感覚が
 次第に薄れてゆき
 日常は希薄になる
 暗がりで自転車を見た
 人が乗っている
 動く 流れてゆく 惰性
 幸福とはそういうことか
 
 
    夢(12)
 
 久し振りだ
 夢のなかで
 僕は夢精する
 夢精は快感だ
 夜半に見た
 裏ビデオによるものだろうか
 親鸞も苦悩した
 性欲が
 僕にもある
 
 
    叔母
 
 叔母が赤ん坊を
 抱いて乳を与えている
 叔母は一人身のはずだ
 叔母は僕に訴える
 自分が死に
 後に残る赤ん坊の事を
 心配して狂乱している
 僕が見た叔母の
 夢でした