今書いている詩(136)

    たろうさんの春

 寝そべっている部屋に
 日が差し込んで
 たろうさんの全身を
 包むように照らしています

 たろうさんは食いしばっていた
 歯と肩の力を抜きました
 「いいねぇ~春の陽は」

 久しぶりにさっき
 車を洗いましたよ
 長靴の中に入っていた落ち葉が
 砕けて靴下の裏に
 こびり付きました

 病院の支払いのお金を
 パートから帰ってきた
 洋子さんに言うと
 「どうしてこんなに高いの」
 「特効薬と血液検査があるからなぁ~」
 暢気そうに言うたろうさんです

 今日は風も収まって
 もう春ですよ
 怒らないでね
 お神さんの洋子さん

 帯状発疹の痛みも
 暖かくなれば消えるでしょう

 思わず居眠りの出てくる
 たろうさんの春ですよ