今書いている詩(97) 「たろうさんの廃品回収」

   たろうさんの廃品回収

 「…ラジカセ・ミニコンポは無料にて回収いたします…」
  今日も廃品回収の車が宝生寺団地を廻っています

 「毎度ありがとうございます 本日は人間の廃品回収に
  おうかがいしておりま~す」という日が来るのでしょうか

 人間は健康でなくては廃品回収もしてくれないでしょうね
 その時は「…健康診断書を添えてお待ちください…」となるのでしょうね

 老人の医療費が増えていますね
 たろうさんもお世話になっています
 薬も一杯飲んでます
 去年は病気のデパート状態でした

 痴呆症・若年痴呆症・介護・介護疲れ他人事ではありませんね
 たろうさんの両親は介護の必要もなく亡くなりました
 洋子さんといつも「息子孝行の親だったね」と言っています
 「清正お父さん タツお母さん」ありがとうです

 清水由貴子さんの自殺は同じ名字なので悲しいです
 介護ご苦労様ですが 
 「私たちも廃品回収に出したいわ」の
 辛い言葉を聴きたくはありませんね

 暗いことばかり考えていたので
 「…本日も人間の廃品回収にお伺いしております…」
 「あれれ…空耳アワーかな~」とたろうさんは一瞬 思いました
 たろうさんの家の前を廃品回収の車が
 「……ありがとうございま~す…」と通り過ぎました