今書いている詩(469)

    たろうさんの溜息
 
 青空に静脈のような
 雑木の枝と幹を
 季節風
 揺らしていたのは
 2・3日前のことだろうか
 
 雷鳴と共にボタ雪
 「楡の木」で友と語る
 一夜明けると
 雪かきの昨日
 
 今日のおみくじは
 吉だったが
 新年の終わりに
 三日坊主で
 65歳のわたしは
 まう戻れない無職に
 なってしまった
 
 生活の不安と
 妻にすまないという
 気持ちが交差する
 滅入る
 
 妻は黙って
 米を研いでいる
 家で食べた
 弁当箱を洗う
 
 わたしは口を閉ざす
 こころも閉ざす
 妻が無理に
 笑おうとしている
 不安があるんだ
 
 「春は近いのに
  寒さが続くのだろうか」
 
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