今書いている詩(368)

    「たろうさんのブラックボックス

 ゴルフの優勝カップ用の
 黒い箱に無造作に入っている
 ビニールコード ケーブルコード
 フィーダー線 映像用のコード
 短いのや 長いのの切れ端達よ

 幸せでも探すように
 箱の中を開けて
 お前を掻き回し
 引っ張り出した
 そんな日々が
 確かにあった

 幸せには短くて
 悲しみには長い
 足らないコード達の
 嘆きとつぶやきが
 あなたに聞こえたかな

 ブラックボックス
 わたしが名付けた
 ただの黒い箱

 過去の輝かしい栄光を
 食べ尽くし 今は
 我家の片隅の
 暗い戸棚の中で
 カビに覆われ生きている

 「お前は白カビに取り憑かれた
  今の現実があるだけ」