今書いている詩(268)

  たろうさんへビワの囁き

 あなたはまだお分かりでありませんね
 わたしが此処にいる理由をね
 存在している意味をね
 だからわたしを切ろうとか
 とてつもないことを考えるのです

 この世に無駄はないのですよ
 何処にあなたが住んでいようとも
 街の中でも家の中でも
 その生活はみんなあなたにとって
 大切なのです
 あなたを守っているのですから

 木も草も偶然に其処にあるのではなく
 必然なのです
 あなたの車の部品の一部が欠けても
 具合が悪いように
 わたしも役割を持っているのです
 あなたもわたしも共存して行くのです
 共に夢想しているのです

 あなたの家族や人間だけのために
 愛があるのではなく
 宇宙の何処にでも
 愛は満ちているのです 
 生きることは絡み合ってほつれて
 成り立っているのです

 わたしの存在も認めなさい
 あなたは嘆きよりも楽しみなさい
 幸せを希望を富を求めなさい
 でもあなたは少なく取るのです

 梁塵秘抄の「遊びやせんと生まれけむ」が
 あなたとわたしの素晴らしい世界ですよ
 わたしも花や実を付け
 思いっきり背伸びして遊びたいのです

 わたしの世界もあることを
 「たろうさん忘れないでね」