今書いている詩(229)

   たろうさんの娘(8)

 思い出とは何だろう
 あなたとすごしてきた
 日々とは何だろう
 幼くて輝いていた
 あの頃のあなた

 愛と幸せをありがとう
 満ち溢れるほどの
 喜びをありがとう
 記憶のページに
 閉じられている
 あなたの笑顔

 シャボン玉を追いかけて
 6畳の部屋をぐるぐると
 走り回っていた
 具合の悪い日には
 妙におとなしかった

 もう抱き上げられない
 絵本も読んであげられない
 27才になるあなた

 これからは未来の夢と希望を
 与えてくれるんだね
 わたしの処に生まれてきてくれて
 ありがとうね

 今はこれだけしか言えないが
 夜中にふとあなたがいないのに気づく
 「もういないんだ」

 未練なんですよ
 深い暗闇が続く
 離れられないんですよ
 おとうさんは