昔書いていた詩(217)

   偽神主

 
 私は偽神主になって
 地鎮祭で大麻(おおあさ)を振る
 好きでやってるのではない
 自由な時が少しだけほしいから
 神の使いのの格好をして
 職業でやっている
 
 私の糧は自分で生み出そうと
 切麻(きりあさ)を散布する
 大地主(おおとこぬし)の大神
 産土(うぶすな)の大神
 を招霊すると
 私の未来も少しは
 見えて来るのだろうか
 
 覚えたての祝詞
 土地の神が心地よく去り
 祭りを受け入れて
 祟りをなさないように
 建築主は願うが
 私の知ったことはない 
 
 もともと土地の神などいない
 ないものはないと言えぬ処が
 私の偽神主の弱みである
 
 明日は何処で大麻を振ろうか
 勿論御利益などないよ
 頭を下げなさいよ
 偽神主のお通りですよ