今書いている詩(140)

   たろうさんの伯父

 今日は寄居まで仕事で行った
 此処には鉢形城がある
 北条氏邦の上野の支配の中心的な城である

 清水姓の方からこの氏邦の家臣について
 訪ねられたが判らなかった
 後日、鉢形分限帳にの中に清水姓の
 侍がおられたと連絡が来た

 小学校の低学年のように思うのだが
 いまは亡き伯父に連れられて
 好きだった釣りの伴で来たように
 思うのだがどのようにして
 此処まで来たのかまつたく記憶にない
 ただひどく河原で待たされたことだけを覚えている 
 勿論魚は釣れなかった

 いまから思うと不思議に思えるが
 北条氏邦北条氏照の弟で
 母方の先祖は志村将監と言う
 氏照の家臣であった

 この兄弟は共に北条氏の下野国
 攻略の中心的存在であった
 伯父はこの志村将監の血を引いていた
 本人は多分このことを知らなかったと思う

 私も郷土史を本格的に始めたのは
 母方の先祖がこの志村将監であり
 元八王子歴史研究会に入会しての
 論考に選んでから知ったのである
 「清水中世史研究所」のブログを始めたのも
 また不思議な縁である

 わたしはこの伯父が好きであった
 後妻になった志村ヨシを墓に入れたのも
 この伯父の為であった
 わたしが志村家の墓を継いだのも
 これまた不思議な縁である

 3月は伯父の命日なのである
 志村義治は母の兄なのである
 志村家の墓石を建立したのが母である
 わたしは母の身体を洗うのだと思って
 タワシで墓石を洗う
 この間、娘が加藤君と墓に行き
 同じようにタワシで洗ったと言う
 涙が出るほど嬉しかった