2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

昔書いていた詩(176)

錬金術師 僕は夢の中の錬金術師 金を掘り出し 丸い鋳型に入れ 鉄槌で叩く 僕が夢の中で 金鉱を探したように 目覚めても 金鉱を探せるだろうか 夢は僕の潜在意識だから 僕もまた実生活でも 探せるに違いない 今日は成人式 快晴で団地の前の広場では 朝からパ…

今書いている詩(176)

たろうさんの失業保険 たろうさんの性格はどちらかというと かなりしつこい ねちねちしてる 自分で納得できないと動かない 3・31日に 気になっていた 失業保険を申請するとその時点で 年金が自動的に停止されると 聞いていたことをハローワークに確かめる…

昔書いていた詩(175)

残土 団地前の窪地に 工事現場から 残土が運ばれて 1988年1月の太陽に 照らされて 黒く横たわっている 地中に眠っていた彼らに 過去も記憶もない唯 眠っていたそれだけ 今は地表に積まれ 晒され乾いて風化する 土の中の虫たちは蠢いている 初春が近づい…

今書いている詩(175)

たろうさんの年金 どんなに素晴らしいことが起きても すべて神さまのお陰にする 積もりはないけど 誰かに助けられていると今回も思います たろうさんは11月までお金の心配が 無くなったのです それは年金を貰いながら失業保険も いただけることになったか…

昔書いていた詩(174)

琵琶の木 ベランダ越しに 母の手植えの 琵琶の木が 風に揺れている 冬は黒色の緑の季節 自転車置き場の陰で 夏が蹲っている 昼寝をしている 空は高さを増し 陽は低く僕をめぐる いつもと違わない時刻が 僕を取り囲んで 娘がプラスチックのマイクで 高らかに…

今書いている詩(174)

たろうさんのひまじん会 3・11日の大震災のあと3・19日に 京王八王子駅前の「つぼ八」でいつもは 4・5人で飲み語る「ひまじん会」が 行われる予定でした 奇数月の第三土曜に集まるのが ささやかな楽しみでした この集まりは場所を替わったりしたが …

昔書いていた詩(173)

失職 失職して会社を出る 見上げると曇天だった 創価大学の坂を 自転車を降りて登った 坂を下りると雨 浅川は静かだった 職安で紹介カードーをめくり 自分の職を探す 図書館はすいていた 月刊誌を読んで外に出ると 雲一つない空に変わっていた 煙を黒々と吐…

今書いている詩(173)

たろうさんのスーダラ節 故植木等さんの持ち歌に スーダラ節がある 「…ア ホレ スイスイ スーララッタ スラスラ スイスイスイ…」 の部分が特に軽妙で面白い この歌のように なんとかこの東北関東大震災を 乗り切れないものだろうか やりきれないこの思いを …

昔書いていた詩(172)

反射鏡 僕は青春時代を 狭い庭に埋めた 木桶にはいった 箱を掘り出しては磨く 僕は夢の中で そんな作業を繰り返しやっている 時代が要求するで訳ではない 僕の記憶がそうさせるのだから 僕は過去形のついた 人生を磨いてているのだ 今はその家も故郷になって…

今書いている詩(172)

たろうさんの身体やすめ あなたは身体やすめてますか 心休めてますか いつから休めてますか たろうさんはもう休んでますよ 病院から帰る度に 「薬代が高いわ 必要な薬だけ貰ってきたんでしょうね」 洋子さんがおっしゃいます たろうさんは薬がすべて切れてい…

昔書いていた詩(171)

宝くじ 大晦日の夢は スズキに煮た魚を 刺身にする夢だった 正月元旦の夢は ジャンボ宝くじの当選番号を 調べる夢だった 僕は賭けるだけの人生がない 大金が転がり込む夢を見て 悪いとは思わないが もっと地道に働けと言うのが 普通の人の考えだろう 僕はま…

今書いている詩(171)

たろうさんの信号機 危険な交差点には信号機がありますね あなたはどの信号で渡りますか もちろん青ですよね でも誰もいないと思って 赤信号で渡る人がいますよ たろうさんは車を運転していて そんな場面に良く出くわします あなたではないですよね やめてく…

昔書いていた詩(170)

折り紙 娘が折り紙で遊んでる 自分の未来を 小さな手で器用に折っている 少し折っては気に入らずに キーキーと言ってはまた折る 冬の日射しが 南側の部屋に差し込む それでもストーブがうなっている 僕は深夜までテレビの映画を見ていた 新聞を開いて 大きな…

今書いている詩(170)

たろうさんの写真額 あなたは自分の家に住んで 思ったことがありますか ありませんか 借家やアパートに住んでいる方も 考えてくださいね あなたの自分の今を未来を過去をね たろうさんは何故この家に住めるのか考えます 重いローンもあるのです でも前向きに…

昔書いていた詩(169)

スパイ 僕は夢の中で スパイになった 僕はピストルで撃たれて傷つく その頃 娘は眠りながら 高熱にうなされていた かわいい唇がかすかに乾いてる 妻がかかりっきりで看病をした 朝少し娘の体温が下がった 僕も妻もようやく安心する 娘は元気になるともう起き…

今書いている詩(169)

たろうさんの未練 昨日の夜娘さんが帰ったあと トイレに入ったたろうさんは 娘はもういないと思ったら 急に寂しくなりました 「もういないんだ これが現実なんだ」 それを今日 洋子さんに言うと 「いつまでも くよくよ ねちねち 未練たらしいわねあんたは」…

昔書いていた詩(168)

夢(27) 僕は夢の中で 火がつくほど激しく 放尿している 急いで気がついて目覚める 学校で勉強している夢の途中で 数学の公式がわからないのだ 夢は僕に何を伝えたいのか 夢を見ている僕は夢の進行に 身を委ねているから 僕の夢もまた夢になるだろう 僕はい…

今書いている詩(168)

たろうさんの計画停電(4) ガソリンのゲージのレベルが 半分以下になってきたので 補充したかったのですが 昨日は出来ませんでした 妹さんを本当は高尾駅でなく 相模原の自宅まで 送ってあげたかったのですが それも出来ませんでした 朝からスーパーたいらや…

昔書いていた詩(167)

欅 剪定された公園の欅が 真新しい切り口と 樹肌を冬の寒風に 晒されている 夏の暑さを森のようになり 住人を覆っていたのに 今は枝だけが 空に刺さっている 娘を連れて 落ち葉の上を歩く さくさくと歩く 今日はバカに暖かい 年の暮れではないか 落葉 師走の…

今書いている詩(167)

たろうさんのヒヨドリ(2) うす暗闇の中にキュウイのパイプ棚が 白く浮かんでいます 来年も再来年もキュウイが食べられないでしょう このパイプが重みで壊れてしまったので 思い切って全部の枝を切ってしまったのです いまその枝の残骸が木蓮とキンモクセイに…

昔書いていた詩(166)

夢(25) 僕は夢の中で 墨俣城を攻撃に行った 途中坂道から 氷の中を通り 川に出るので この時が一番辛かった 石垣と簡単な柵の城である 僕の仲間も一緒だった この城の反対側は 防備も少なくて 心の中にも忍べない 夢(26) 僕の夢はいつも 文字が出てくる…

今書いている詩(166) 「たろうさんの計画停電(3)」

たろうさんの計画停電(3) 娘さんは今度もまたいっぱいお土産を 持って帰りましたそのリストです ヤオコーで買ったバラ肉200グラム 米5キロ・ウーロン茶3本・おーいお茶2本 午後の紅茶1本・オーストラリアステーキ肉4枚 明太子2切れ 以上ですよ 加…

昔書いていた詩(165)

現実 初冬の隙間の或る月に 穏やかな日があるように 人の一世にもそのような時があるのだろうか 僕は41歳を過ぎた今でも 人生の落伍者でいる 娘だけは3歳になって 順調に育ってかわゆい こんな僕でも父親なのだ ブロックで御飯を作り 僕に食べさせようと…

今書いている詩(165)

たろうさんの計画停電(2) 防災無線が大声で叫び始めました 「東京電力からのお知らせです 本日の第三グループの停電は 午後3時30分より実施します」 これは男の声 続いて女の人の声 よく聞いていると木霊が女の人の方が 1回多く聞こえます 声がよく通る…

昔書いていた詩(164)

水滴 12月の窓ガラスの水滴が 一面に広がる 次第に朝日が曇った窓ガラスを 照らして水滴を消してゆく こんな朝に僕は コタツの中に入り 今日も怠惰な一日を過ごす 必死でいきている風でもなく ただ時間に流されているのだ 僕は五体満足だけれども 精神が著…

今書いている詩(164)

たろうさんのスクリュー 天のなみだの雨は あなたの心を 癒やしますか ぬれた全身を 洗い流してくれますか 明日の希望を 勇気を 愛を 与えてくれますか 私の街では 温かい雨でも あなたの町では 冷たい無常の雨でしょうね 啼きたいだけ啼いて 嘆きたいだけ嘆…

昔書いていた詩(163)

埃 蛍光灯のスイッチを切る 僕の心も暗くなる その闇の中で 瞬間 弾けた 僕の貧弱な想像力と視力 昼間見た埃達よ お前は暗闇の中でも 浮遊しているんだろうね 娘のアートピーの原因の 悪者め 夢(22) 僕は神社で開かれた 音楽会に出る 夕日を見て 疑問に思…

今書いている詩(163)

たろうさんのスズメ おいスズメ君 いつも朝から 腹を空かせて 啼いているけど たろうさんが ご主人ですよ 小鳥のえさを 買ってきて 与えるのも 大変なんだからね お金がかかるんですよ それなのに 立ち上がっただけで 逃げるなよ 恩知らず 洋子さんは大丈夫…

昔書いていた詩(162)

残土 広場の空き地に 工事現場がある 何処かで掘り出された 残土が高く積まれている 九月の少し弱くなった 日差しを浴びて 深呼吸をしている おおい 君よ 残土君よ 君は何年眠っていたんだい お天道様はどうだい 僕は君を丸めて 土饅頭をつくり 遠い僕の記憶…

今書いている詩(162)

たろうさんの沈丁花 春の彼岸の頃にたろうさんの庭で 咲くのが沈丁花です 咲いているのは白い花です たろうさんが挿し木で植えたのです よほどこの土が良かったのか 大きく育っています でも葉は雀と鳩の糞で汚れています 隣に餌台があるのです スズメたちの…