今書いている詩(295) 「たろうさんのアメンボー」

   たろうさんのアメンボー

 わたしが足を入れると
 沈んでしまう池の水面なのに
 君はどうして
 「ツゥーイ ツゥーイ」と
 はしゃいでる
 何故そんなに身軽に
 浮いていられるのさ
 君には重力も及ばないのかい

 わたしが歩んできた
 世間の水よりも
 楽なんだろうね
 難しく言えば
 表面張力なんだけど
 わたしの人生も
 難しかったよ

 でもね 洋子さんが
 沈もうとするわたしを
 支えてくれたのさ
 娘がね 笑顔で
 足を撫でてくれたのさ
 引っ張り上げてくれたのさ

 ああ 有り難い人生だったね
 神さまも 見ておられたのかね
 月が変わればお盆で
 父も母もお帰りです

 「洋子さんありがとう
  里美さんありがとう
  みんなみんなありがとう」